肩甲骨
肩甲骨のお話です。
肩甲骨周りにはたくさんの筋肉が付着していますが、棘下筋という一つの筋肉で肩こりの原因の80%程度を占めると言われています(複数回答)。
棘下筋は肩甲骨に被さり、上腕骨の外側をぐるりと巻いてついています。この筋肉が縮めば、付着部の肩の前方~側方に凝りや痛みが来ます。
若年層では主に球技で痛める事が多く、中年以降では冷えや疲れ、使い痛みによることが主です。
だらんと腕を下に垂らしているだけでも、この筋肉は緊張を強いられますので、常に休まることがありません。そのためスポーツもしていない中年以降の人に、棘下筋の不具合がおきる確率が大変高いです。
この棘下筋の作用は、腕を後方に引くことですので、痛めると衣服の着脱や髪をくくる動作などがつらくなってしまいます。
痛いのは肩関節なのに、元凶は背中の肩甲骨近辺にあるとは思いませんので、押されて初めてびっくりする程の痛みのあることで納得されます。また、押さえてみなければ気付かない場所ですので、結果的には相当時間がたって充分すぎるほどの筋硬結にないる方がほとんどです。
この棘下筋、痛みやしびれの範囲は肩関節はもとより上腕、前腕、指先にまで届きます。
肩の痛みだけの場合は、五十肩(四十肩)、肩関節周囲炎、腱板損傷と診断されますが、肩の痛みよりも上腕や前腕の痛みが強い時は頚椎に疑いをかけられます。その際に痛みよりもしびれを訴えたり、それが指先まで及んでいた日には、頚椎を検査する運びとなります。
重大な病変が隠れている場合もあるので、きちんと病院で検査しておくことは大切ですが、日々の疲れから症状がきている場合も多いので、一度肩甲骨まわりをほぐしてみることをおすすめします。
近年、肩甲骨はがし、と名付けて肩甲骨の内側(背骨に近いほう)しかほぐさない治療院さんを多く見かけますが、当院は棘下筋の位置する肩甲部や外側もしっかりほぐします。これがとても重要です。
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